【レビュー】アバフェルディ12年はまずい?「甘すぎ」の正体と、山崎に似てる説の世間の本音

スコッチウイスキー

アバフェルディ12年を検索すると「まずい」なんて不穏な言葉が出てきますが、正直「何を言っちゃってんのてんの?」という感じです 。

かつてはAmazonセールの常連で、4,000円を切るのが当たり前だったこのボトル 。

アバフェルディ 12年
created by Rinker

それが、ある日を境に「ジェネリック山崎」なんて呼ばれ始め、一時は価格が何倍にも跳ね上がる異常事態になりました 。

流行に振り回されただけの「まずい」なのか、それとも人を選ぶ「クセ」があるのか。

忖度なしでレビューします 。

たぬき腹
たぬき腹

一時期HUBで飲みまくったな~笑。

目次

「アバフェルディ12年はまずい」と言われてしまう正体

ネットの海に溢れる「まずい」という言葉の裏側をみてみました。

「アバフェルディ12年はまずい」と言われてしまう正体

決して質の低さではなく、その強烈な個性が人を選ぶ理由が見えてきます。

長時間発酵が招く「濃厚すぎる蜂蜜感」

アバフェルディの最大の特徴は、一般的な蒸留所よりも長い「70~72時間」という発酵時間にあります 。

このプロセスによって、麦芽由来の自然な甘みがこれでもかと引き出され、グラスから溢れんばかりの蜂蜜感が生まれます 。

この濃密さが、ドライな酒質を好む方にとっては「甘すぎて飲み疲れる」と感じさせ、「まずい」という評価に繋がることがあります 。

スモーキーさを愛する人にとっては「ただの甘い水」

もしあなたが、アイラモルトのような焚き火の煙や潮風の香りを求めているなら、アバフェルディは避けたほうが無難です 。

現代のアバフェルディはノンピートの麦芽を使用しておらず、スモーキーさは控えめです 。

その華やかで素朴な甘さは、パンチのある刺激を求める層には「物足りない」と映ってしまうことがあります 。

後味にチクリと刺さる「アルコール感」

アバフェルディは単に甘いだけではありません。

飲み進めると、後半にかけてスパイシーさ、そして香ばしいナッツ感が顔を出します 。

この刺激を「アルコールの角(かど)」や「雑味」と捉えてしまう初心者も少なくありません 。

しかし、このスパイシー感こそが甘さを引き締め、次の一口を誘うハイランドモルトらしい骨格なのです 。

「ジェネリック山崎」という幻想。SNS狂騒曲の真実

店舗、ネットから在庫が消え、価格が跳ね上がったあの騒動… 。

ちゃんぽんちからさんが出したこの動画が発端で、アバフェルディ12年は一時期入手困難となりました。

「山崎に似ている」という評価はどこまで真実なのか、冷静に切り込みます 。

「蜜りんご」と「バニラ」の入り口は似ている

アバフェルディが「山崎に似ている」と話題になった背景には、共通する香りの構成要素があります 。

特に加水した際に見せる、熟した蜜りんごのような甘酸っぱさと、バーボン樽由来の柔らかなバニラ感です 。

この入り口の印象が、山崎に飢えていた市場に「代用品」としての幻想を抱かせました 。

決定的な差は、ミズナラではなく「ハイランドの泥臭さ」

しかし、じっくり向き合えば両者は別物です 。

山崎がミズナラ樽由来のエレガントな香木感を纏うのに対し、アバフェルディはあくまで麦芽の力強さと、より素朴なウッディさが主役です 。

余韻のストーリーが異なるため、山崎の完コピを期待して飲むと「思ったより似ていない」という失望に変わってしまいます 。

「山崎の代わり」に飲むのは、両者に失礼という話

「山崎≒アバフェルディだ!」というのは、本当にもったいない考え方です 。

アバフェルディは、世界的なブレンデッド「デュワーズ」の核を支える、極めて完成度の高いシングルモルトです 。

何かの代わりではなく、ウイスキー個々を評価することが、ウイスキーを楽しむ近道だと僕は思います 。

たぬき腹
たぬき腹

無駄に買いにくくなっただけ感。

アバフェルディはアバフェルディとして美味しいんだよね。

【徹底解剖】アバフェルディ12年のテイスティングノート

私の大好きなデュワーズのキーモルトとしても有名なアバフェルディ。

【徹底解剖】アバフェルディ12年のテイスティングノート

実際にグラスを傾けて感じたことを記録しました。

テイスティングチャート

アバフェルディ 12年のテイスティングチャート

アバフェルディ 12年 筆者テイスティングチャート(5段階評価)

たぬき腹
たぬき腹

甘くてスパイシー。

香り:熟しかけのリンゴとはちみつの共演

熟しかけのリンゴや洋梨のフルーティーさ、オレンジのような清涼なニュアンスが優しく立ち上がります。

何より特徴的なのは、その奥から顔を出す圧倒的な「はちみつ」のニュアンス。

ほんのりとした柔らかなバニラの甘い香りも相まって、ハイランドを感じさせる華やかさ。

味わい:メープルシロップを思わせる濃密な甘み

口に含むと、はちみつやメープルシロップのような凝縮された甘さとフルーティな味わいが広がります。

そして、穀物の香ばしさと、シロップのような滑らかな舌触りが、非常に朗らかな印象。

余韻:しんがりを務めるウッディな引き締め

甘さの主導権が続いたあと、最後はほんのりとしたウッディさとスパイシーさが現れます。

この控えめな樽感が甘さを間延びさせず、最後の一口をきゅっと引き締めてくれます。

「やさしい」という言葉がぴったりな、非常に素直なフィニッシュです。

アバフェルディを飲み方別で解剖

その名に恥じないポテンシャルを引き出すための、おすすめの飲み方を紹介します。

この「黄金の1杯」をどう愉しむのが正解か

アバフェルディは、僕からするとどんな飲み方をしてもおいしいですが…笑。

ストレート:蜜りんごが喉を滑る「3つの蜜」体験

まずはそのまま、何も加えずに向き合ってみてください 。

はちみつ、メープルシロップ、そして樹液の蜜を思えば、まさに「3つの蜜」が織りなす重厚なハーモニーが舌を包みます 。

ハイランドの穀物感と、ほんのり残るウッディな余韻が、郷愁を誘うような優しい時間を提供してくれます 。

ロック:冷やすことで爆発するメープルシロップの香り

氷を入れると、驚くべき変化が起きます 。

香りが凝縮され、まるでメープルシロップに肉薄するほどの濃密な甘い香りが鼻をくすぐります 。

一方で、温度が下がることで後半のスパイス感や渋みが強調される側面もあります 。

「とにかく甘い香りに包まれたい」という時には、ロックが最高の選択肢です。

ハイボール:デュワーズの魂が宿る「最もフレンドリーな1杯」

「デュワーズ」のキーモルトであるアバフェルディにとって、ハイボールはまさにホームグラウンドです 。

炭酸が弾けるとともに上品なウッディさが漂い、非常にフレンドリーで軽やかな飲み口になります 。

食中酒としても優秀で、ウイスキー初心者が「本物のシングルモルト」の入り口として選ぶには、これ以上ない選択肢でしょう 。

アバフェルディは今、買い時なのか?

現在のアバフェルディ12年の入手状況はどうなのか?

今の市場環境で、後悔しないための向き合い方を整理します。

「いつでも買える」はもう過去の話。一期一会の精神で

アバフェルディは、2024年にバカルディ社からの日本向けの出荷がなくなり、終売となりました。

ただ、並行輸入品は流通していることから、以前の価格からは高騰したものの今でも日本で購入できます。

私自身、かつては「いつでも買える」という先入観のせいで、購入を後回しにしていた銘柄でした 。

しかし、SNSによる扇動や輸入状況の変化により、今日と同じ明日がやってこないのが今のウイスキー市場です 。

もし迷っているなら、価格が落ち着いている今この瞬間が、最も幸せな出会いになるはずです 。

6,000円前後なら、今でも十分「良コスパ」

現在の相場は6,000円前後で安定しています 。(かつては3,000円台でしたが…泣)

しかし、一時期の1万円近い高騰を考えれば、適正価格に戻ったと言えるでしょう 。

アバフェルディ 12年
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まとめ:アバフェルディ12年は「唯一無二の蜂蜜モルト」

色々なノイズがありましたが、結局このボトルはどう評価すべきなのか、ポイントをまとめます。

甘口好き、ウイスキー初心者には「正解」の1本

アバフェルディの魅力は、何といってもその「分かりやすい甘さ」です 。

ウイスキーの独特なアルコール感が苦手な方や、食後にデザート感覚で1杯楽しみたい方にとって、これほど頼もしい存在はありません 。

「まずい」という声のほとんどは、単なる好みの不一致に過ぎないのです 。

「山崎の影」を追わず、アバフェルディそのものを愛そう

「ジェネリック山崎」という言葉に惑わされるのは、もう終わりにしましょう。

アバフェルディには、山崎にはない「ハイランドの素朴な温かみ」があります 。

目の前にあるウイスキーと純粋に向き合うことで、このボトルの本当の価値が見えてくるはずです 。

たぬき腹
たぬき腹

山崎がなんだってんだ!

アバフェルディ12年はもちろん、甘いウイスキー、フルーティなウイスキーをもっと発掘したいと思った方はこちらの記事もチェック!

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