「サントリーオールド(ダルマ)って、正直、飲みにくい…」「山崎原酒を使った高級なウイスキーだと聞いて期待したのに、なぜか美味しくない」
もしあなたがそう感じて、この記事にたどり着いたのなら、まずはっきりお伝えさせてください。あなたの味覚は、少しも間違っていません。

サントリー ウイスキー オールド [ウィスキー 日本 700ml][ジャパニーズウイスキー]
多くの方がオールドに対して抱える「飲みにくさ」の正体は、ウイスキー自体の品質ではなく、「時代が生んだ個性の強さ」と、「最適な飲み方とのちょっとしたズレ」にあるんです。
この記事では、まずいと感じる本質的な理由に深く共感しながら、筆者のテイスティング経験と、思わず唸るほど美味しくなる裏技的な飲み方を徹底解説します。

通称、だるま。
サントリーオールドが「まずい」と感じる本質的な3つの理由
「まずい」と感じる背景には、サントリーオールドが持つ独特の構造と、それが口の中でどう作用するか、という明確な理由があります。

このセクションで「飲みにくさ」の正体を突き止めることで、「自分の好みに合わないのは当然だったんだ」と納得できるはずです。
原因がわかれば、解決策を見つけるのは簡単ですよ。
理由1. 時代が生んだ「アルコール度数の高さ」と「エステル香」の衝突
オールドはアルコール度数が43%と、現在の主流のウイスキーに比べて高めに設定されています。
『サントリーオールド』
通称:だるま
オレが子どもの頃、ウィスキーったらコレのイメージ。おぉカッコいいなー!!って思たりしてた。今でも当時のCMと亜星の曲は神ただ味は、旨みよりもアルコール感が先だつ感じ?個人的に。まー酔っぱらったら関係ないのだが#ミッドナイトウィスキー部 pic.twitter.com/2VA3Uf0y8I
— このウバらしき世界 (@kogitaro_uber) March 27, 2024
この高い度数に加え、「華やかな香り」を生み出すエステル香が、飲み慣れない方には、揮発性の高い「シンナーのようなツンとした刺激」や「アルコールの強い圧」として感じられてしまいます。
理由2. 「山崎原酒」由来の「樽の渋み・苦味」が口に残りすぎる
オールドはかつて、あの高級銘柄「山崎」の原酒をブレンドに使用していました。
長期熟成を経た樽の成分が溶け出したことによる「強い渋み」や「心地よい苦味」こそがオールドの個性です。
リンドウズを飲み干してしまいそうでしたので、サントリーオールド頂いております^_^
樽の心地よい渋みと甘みが心地よいですね^_^ pic.twitter.com/xwuWm0Xw0o
— DJ モルト (@magicalheltz) October 17, 2024
しかし、甘くスムースなウイスキーを期待していた方にとっては、この渋みが「舌に残る不快な雑味」として認識されがちで、このミスマッチが「まずい」という評価につながっています。

山崎って文字だけで買ってみる人もいるはず。
理由3. 根本的に「ウイスキーの飲み方」がオールドの個性に合っていない
オールドは、飲み方一つで天国にも地獄にも変わる、非常にデリケートなウイスキーです。
現行サントリーオールド
数年前のオールドと香りが全く違って微妙だと思ったけど半分位飲んで花開いてからはストレートだとアルコール感はあるけどローヤルのような甘い香りが立つようになったのでスペシャルリザーブ買うよりオールドの方が良いかも。
ハイボールは個人的には少し濃いめ推奨。 pic.twitter.com/1ynkJPO4pG— シャオリン@anima鯖 (@shaorin_708) September 17, 2021
特に、中間的な加水(水割りなど)をすると、先に述べた渋みが立ちすぎてしまい、せっかくの「甘さ」や「余韻」が消えてしまいます。
あなたの「まずい」という感覚は、実は最適な飲み方を見つけるためのヒントなのです。
オールドの奥深さを知る!筆者による徹底テイスティングノート
ここからは、なぜオールドが愛され続けているのか、筆者が実際にストレートとロックでテイスティングした詳細な記録を公開します。

オールドのネガティブな要素だけでなく、隠された魅力的な「甘さ」と「高級感」を知ることで、このウイスキーに対する印象がきっと変わるはずです。
テイスティングノート1: 香りの「硬さ」の奥にあるバニラ香
グラスに注いだ瞬間、アルコールの刺激とともに「焦げた樽の香り」や「古い木の渋み」が強く立ちます。
これが「飲みにくさ」の正体ですが、しばらく待つと、バニラやドライフルーツのような落ち着いた甘い香りが奥から顔を出します。
この硬い香りの奥にある甘さこそがオールドの魅力です。
テイスティングノート2: 口当たりの「渋み」からくる心地よいドライ感
ストレートで飲むと、まず「鉛筆の芯のような強い渋み」と「ドライな苦味」が舌を刺します。
しかし、これはハイボールにしたときに、キレのあるドライ感として作用します。
この強い個性が、オールドを他の安価なウイスキーと一線を画す「骨太なコク」を生み出しているのです。
テイスティングノート3: 余韻の「短さ」を補う「温かさ」と「甘さ」
一般的な高級ウイスキーに比べると、余韻は比較的短くサッと消えます。しかし、鼻から抜ける香りは黒糖のような温かみのある甘さが残ります。
この「口の中のキレ」と「鼻の奥の甘さ」のコントラストこそが、オールドがロックスタイルや濃いハイボールで真価を発揮する理由です。
テイスティングチャート
サントリーオールド 筆者テイスティングチャート(5段階評価)

万能で、2000円台の飲みやすさとは思えん。
オールドを劇的に美味しくする!通が実践する3つの飲み方
原因と味の構造がわかれば、対策は簡単です。ここからは、読者の方が「本当に味が変わった!」と驚くような、オールドのポテンシャルを最大限に引き出す飲み方を解説します。

筆者の経験上、飲み方のちょっとしたコツを知っているだけで、オールドは「安くて飲みにくいウイスキー」から「最高の晩酌ウイスキー」へと大変身します。
ぜひ騙されたと思って試してみてください。
ロックスタイルで「甘さ」と「ドライ感」を引き出すコツ
ロックはオールドが持つ「樽の落ち着いた甘さ」を引き出すのに最適です。
🧊 作り方: グラスに市販のロックアイスを入れ、オールドを注いだら、急いで飲まず、氷がグラスに馴染むまで1分ほど待ちます。
💎 コツ: 溶け始めた頃合いを狙ってゆっくり飲むことです。氷が溶けてアルコール度数が少し下がると、ドライな苦味が丸くなり、バニラやカラメルのような甘い香りが一気に解放されます。
ハイボールは「水」と「氷」にこだわるだけで格段に美味しくなる
ハイボールは、オールドの渋みを炭酸で際立たせてしまうリスクがありますが、以下のコツで最高のキレ味になります。
🧊 作り方: グラスとソーダをキンキンに冷やしておきます。ロックアイスをグラスいっぱいに詰め、オールドを注いだら、ウイスキー1に対し、ソーダを4の割合で静かに注ぎます。
💎 コツ: マドラーで混ぜるのは、必ず「ひと回し」だけにしてください。混ぜすぎると炭酸が抜け、オールドの渋みが表面に出てしまいます。ソーダは癖のない強炭酸がベストです。
ストレートはチェイサーと「飲み方」の工夫で高級感を味わう
オールドの真価を知りたいなら、ストレートに挑戦してみましょう。ただし、飲み方の工夫は必須です。
🧊 コツ: ウイスキーの量と同量かそれ以上の冷たい水(チェイサー)を必ず用意します。ウイスキーを少量口に含んだら、すぐに水を飲む動作を繰り返す(ストレート・バック)のが基本です。
💎 メリット: アルコール度数を下げずに口の中で香りを広げられるため、添付画像にある「まろやかさ」と「長く続く余韻」をじっくりと、高級な体験として味わうことができます。
サントリーオールドの知られざる歴史と「高級」な背景
オールドがなぜ「ダルマ」と呼ばれ、これほど長く愛され続けているのか。

その歴史と背景を知ることで、ウイスキーへの愛着が深まり、「まずい」という評価が「深い」というリスペクトに変わるかもしれません。
なぜ「ダルマ」と呼ばれる?発売当時のサントリーオールドの立ち位置
オールドの丸みを帯びたボトルデザインは、多くの人々に愛され、「ダルマ」という親しみやすい愛称で呼ばれました。
1950年に発売された当時、オールドは庶民にとっては憧れの、最高級の国産ウイスキーという特別な存在でした。
「ハレの日のお酒」として、贈答品や祝い事に欠かせない一本であり、その高級なイメージが現代にも受け継がれています。
「山崎原酒」を使用?高級品として愛されたオールドの製法とこだわり
オールドはかつて、日本のシングルモルトの聖地「山崎」蒸溜所の原酒をキーモルトとして贅沢にブレンドしていました。
この由緒正しき原酒が、オールドに独特のコクと複雑な樽の香り、そしてあの強い渋みを与えているのです。
この背景を知ることで、あなたが今飲んでいる一本が、単なる低価格帯のウイスキーではなく、日本のウイスキーの歴史そのものを背負った一本だと気づくはずです。
ウイスキーの軸を再確認!オールドから学ぶ「自分の好きな味」の探し方
オールドを飲んで「樽の渋みが苦手」だとわかったなら、それは大きな収穫です。
あなたのウイスキー選びの「軸」が一つ決まったからです。
- 渋みが嫌いなら: 樽の影響が少ない、フルーティーな銘柄(バーボン、アイリッシュなど)へ。
- 甘さが好きなら: ロックで感じたバニラ香を強化した銘柄(シェリー樽系など)へ。
オールドのテイスティング経験は、あなたの「軸」を構築するための貴重な道しるべなのです。
【脱オールド】まずいと感じたあなたに次に試してほしい絶品ウイスキー3選
「飲み方を工夫しても、やっぱりオールドは合わない!」
ご安心ください。ウイスキーは星の数ほどあります。このセクションでは、オールドの苦手な要素を打ち消し、あなたの好みに合う可能性が高いコスパ最強の代替ウイスキーを3種類、筆者の経験から厳選してご紹介します。
次に買うべき銘柄の明確な指標が手に入り、あなたのウイスキーライフは必ず好転します。
【スモーキー好きなら】オールドの渋みを「心地よいスモーク」に変える銘柄
オールドの渋みが「雑味」に感じたけれど、奥深く、個性の強い味が好きという方には、ティーチャーズ ハイランドクリームがおすすめです。

ティーチャーズ ハイランドクリーム 700ml [TEACHER’S スコッチ ウイスキー イギリス][SUNTORY’S WHISKY]
高比率のモルトと、アイラモルト由来の心地よいスモーキーフレーバーが、オールドの渋みとは異なる重厚なコクとなって作用します。
ハイボールにするとまろやかな甘さが際立ち、オールドにはない満足感を得られるでしょう。
【甘さ・飲みやすさ重視なら】オールドの苦味を消し「華やかさ」に特化した銘柄
オールドの苦味やアルコール感が苦手で、とにかくフルーティーな甘さを求めるなら、メーカーズマークのようなバーボンウイスキーが最適です。

MAKER’S MARK(メーカーズマーク) クラフト バーボン ウイスキー メーカーズマーク リッターボトル[ギフト プレゼント にも][アメリカ 1000ml お酒 箱なし][SUNTORY’S WHISKY]
トウモロコシ由来のバニラ香が強く、口当たりがまろやかで甘く、オールドが持つ苦手な要素を一切含みません。
初心者でも非常に飲みやすく、甘いウイスキーへの扉を開いてくれるでしょう。
【コスパ最強の初心者向けなら】嫌な癖がなく「まずはこれ」と言える定番銘柄
オールド以外に、安価で「まずい」と感じる要素が少ない、万人受けするブレンデッドウイスキーを求めている方には、ホワイトホース ファインオールドを選びましょう。

WHITE HORSE(ホワイトホース) ウイスキー700ml ファインオールド ウィスキー ギフトセット スコッチウイスキー 国内販売量No.1
嫌な癖や強い渋みがなく、ハイボールにしてもロックにしてもバランスがとれた定番品は、あなたのウイスキー選びの「ベース」として最適です。
まとめ:サントリーオールドは「まずい」のではなく「飲み方次第」
この記事のまとめとして、オールドが持つ真の魅力と、あなたが今後ウイスキーを選ぶ際に役立つ「軸」を再確認しましょう。
ウイスキーは、飲み手や飲み方、そして知識によって味が無限に変わる、奥深いお酒です。
サントリーオールドの総合評価と読者の疑問解消
- サントリーオールドは「まずい」のではなく、「時代が育んだ骨太な個性」を持つウイスキーです。
- 最適な飲み方の工夫を知っているだけで、その評価は劇的に変わります。
- オールドで「苦手な味」が明確になったら、それを解消する代替品へ自信を持って乗り換えましょう。
あなたのウイスキー選びの「軸」を構築するロードマップ
ウイスキー選びで失敗しないためには、「自分がどの味の要素を苦手と感じたか」を理解することが何よりも重要です。
このオールドの経験を活かして、次に何を試すべきかの軸が明確になりました。
あなたのウイスキーライフが、さらに楽しく、豊かになることを心から願っております。

長く愛されている理由は、飲めばわかる。

































